豊穣を祈願するボリビアの先住民族
ボリビアでは、インカ時代の大地の女神とされるPachamama(パチャママ)を信仰するTinku(ティンク)という祭がある。ティンクでは、豊穣を祈願し大地に血を捧げる。そのために彼らは、踊り、殴り合い、血を流し、祈る。踊りのリズムを大地に響かせ、戦い、血を流し「パチャママ」と歓喜する。流れる血が少ないと不作になると信じられている。祭りの期間中は至る所で殴り合いが行われ、死者が出ることもある。近代文明が浸透していく現在、先住民族の習慣や様式はどんどん変化し失われつつある。独自の文化が色濃く残っている地域はとても希少である。私は、今を生きる先住民族の誇り高い姿を記録し、彼らの多様な姿とその魅力を伝えていきたいと思っている。
森井勇介